【インタビュー】郡山の文学館の活動~こおりやま文学の森資料館 新館長に聞く

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郡山には、文学に対して興味を持たれている方がたくさんいる

いいべ!:ちなみに、こちらの館長になられる前は?

館長:3月までは中学校に勤務していました。定年退職して、こちらに来ました。

いいべ!:こちらに移られて、印象深いことはありますか。

館長:文学に対して興味を持たれている方がたくさんいるということですね。60代から70代、場合によっては80代くらいの方でも。先程お話した文学講座は、月1~2回のペース、年間にして16回やるんですが、定員が40名~50名で募集開始すると、1日とか2日で定員枠が埋まります。日頃から関心の高い方が多いんだな、ということを、ここの施設に来てあらためて感じました。

 

文学の森資料館と、久米正雄記念館の間にある中庭。

文学の森資料館と、久米正雄記念館の間にある中庭。

 

いいべ!:郡山で、こういった施設を運営されることにはどういった意義があると思われますか?

館長:県内を見ても、文学者の功績を扱っている施設はあるでしょうけど、「文学館」という名称でそれをやっているのはそれほど多くないと思います。いわきの草野心平記念文学館、白河の中山義秀記念文学館、それと、ここくらいだと思います。全国レベルで見たらたくさんあるでしょうけど。
先ほど、久米正雄の資料に関しては展示品が多いという話をしましたけど、なにより文学に興味や関心を持ってらっしゃる方に親しんでもらう、ということが第一ですね。いま、郡山は音楽都市ということで盛り上げていますが、文学は、音楽のようには華やかではないのかもしれませんが、その世界ならではの魅力があります。そこを親しんでもらうと。そういったことが、ここの意義なのかなと考えています。

いいべ!:来館される方についてはどういった期待がありますか?

館長:すでにいま来てくださっている方になにか期待するというよりは…まだ来てない方に来ていただきたいという方向だと思います。そういう意味での事業の作り方とか、情報の流し方とか、そういうことを我々が工夫しないとと思っています。来場された方にアンケートでご要望伺ったりもしています。

 

文学の森資料館・伊藤館長

文学の森資料館・伊藤館長

文学の敷居の高さ、なじみのなさを、いかに親しみのあるものにしていくか

いいべ!:これは失礼な問いかもしれないんですが、「若い人にも来てほしい」という思いに対して、実際に若い人が訪れやすい雰囲気になっているか、もしくはなってないのか、ということに関してはどう思われますか?

館長:久米賞・百合子賞がつくられてから50年になるわけですけど、文章を書くことに興味のある中学生にとっては名前になじみがあるかもしれないですけど、その他の生徒にとっては久米正雄も宮本百合子も、名前を聞いたことはないし、作品も読んだこともないと思うんですよね。そのほかの8人もほとんど知られていないかもしれない。そうなると、常設展に来て10人の文学者の展示を見てもピンとこないかも、というのが正直なところだと思うんです。敷居の高さというんですかね。なじみのなさですね。それをいかに、もっと親しみやすいものにしていくかということだと思います。

6月に、東京で全国の文学会の総会があったんです。そこでいろいろな話を聞きましたけど、やはり、どこの文学館も共通にそういった悩みを抱えています。特に作家個人の名をつけた文学館というのは、かなり有名な作家の名前がついているなら話は違うでしょうけど、そうでない場合は、なかなか何度も足を運んでいただけるような展示をし続けるのは難しいところもあるようです。若い層の市民に対して、これからどのようにして、郡山市ゆかりの10人の作家の功績を伝えていくか。それを考えていくのも、我々の役目だと思っています。